毎年12月に行われている柔道の嘉納杯の2009年からの新名称。柔道の礎を築いた、講道館柔道の創始者嘉納治五郎をしのんで1978年より開催されてきた国際大会「嘉納治五郎杯国際柔道大会」と、1983年から開催されてきた女子柔道の「福岡国際女子柔道選手権大会」が、2007年からひとつとなり、「嘉納治五郎杯東京国際柔道大会2007ワールドグランプリ」の名称で開催されていた。しかし、国際柔道連盟(IJF)が09年からランキング制を導入した際に、同大会を世界選手権に次ぐ国際大会「グランドスラム」に格付けしたことから、嘉納の名が外され、他国の大会同様の名称に改められた。他のグランドスラムには、フランスの「グランドスラム・パリ」、ロシアの「グランドスラム・モスクワ」、ブラジルの「グランドスラム・リオデジャネイロ」の3大会がある。嘉納杯は、これまでは全日本柔道連盟(全柔連)と講道館による共催だったが、今後はIJFの主催で開催されることになった。なお、09年4月に日本柔道界のトップである全柔連会長と講道館館長から、嘉納治五郎の孫である嘉納行光が外れ、IJF理事で、1976年モントリオール・オリンピック柔道無差別級金メダリストの上村春樹が、嘉納家以外で初めて両職に就任している。