クリスマスに歌われる賛美歌で、キリストの降誕から受難、復活などを祝福するもの。キャロルとは、輪になって歌い踊るという意味のギリシャ語から派生したとされ、ルネサンス期には世俗的な舞踏歌、宗教歌として定着していた。家庭や教会のミサでさかんに歌われていたが、16世紀に起こった宗教改革により、プロテスタント国ではキャロルを禁止する教会も現れ徐々に衰退していく。その後19世紀に入り、世間にクリスマスへの関心がよみがえるとともに、キャロルの復興運動が起こり、古来のキャロルに加え新しい曲も作られるようになる。今日では、宗教から離れクリスマスソング一般を含める場合もある。また、イギリスの作家チャールズ・ディケンズによる同名の小説『A Christmas Carol』は1843年の作品。守銭奴の老人スクルージが、クリスマスイブに現れた幽霊によって自分の過去・現在・未来を見せられ更生する物語で、慈善と寛容の大切さを説いた。