2001年創刊のイギリスのプロ向け雑誌「レストラン・マガジン」が主催し、イタリアのミネラルウオーター・メーカー、サンペレグリノが後援する、世界のレストランを対象としたランキング。02年に第1回が始まり、レストラン業界のアカデミー賞と称されることもある。賞の特色は、選出されるレストランに資格基準がなく、世界中のレストランが対象となることで、選出は世界各国のシェフ、レストラン経営者、ジャーナリスト、美食家、評論家ら業界のプロ約800人超で構成される委員会の投票で決められる。投票は、世界27の地域に分けられた投票者がそれぞれ7票を持ち、過去18カ月以内に訪れた店のうち自分の所属地域で最大4軒、残り3票を他地域のレストランに投票するルール。事前に用意された候補リストはなく、また、投票者がオーナーの場合は自店や利害関係店への投票を禁止するなど、レストラン自身の売り込みや主催者、後援者の影響を排除して、投票者自身の味への見識を問う方法で行われる。ベスト50以外にも、ベスト51~100、ベスト女性シェフ、シェフズ・チョイス賞、ヨーロッパ、アジア、北米、南米、オーストラレーシア、中東&アフリカ各地域のベストレストランを選ぶコンチネンタルレストラン賞、ライフタイムアチーブメント賞(特別功労賞)、新規最上位入賞レストラン、One To Watch(51~100位の中から選ばれる注目のレストラン)などが選ばれる。11年は4月18日、ロンドンで発表され、1位には2年連続で、デンマークの北欧創作料理レストラン「ノーマ」が選ばれた。2位はスペイン「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」、3位はスペイン「ムガリッツ」とスペイン勢が入った。日本からは東京・南青山のフランス料理レストラン「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」が、10年の24位からの12位へと順位を上げ、同時にアジア最優秀レストランに輝いた。同店は3年連続の選出。また、東京・六本木の創作日本料理レストラン「龍吟」も、10年の48位から20位に順位を上げ、最も順位が飛躍したレストランとなった。