アメリカの優れた映画とテレビドラマに与えられる賞。ハリウッド外国人記者協会(The Hollywood Foreign Press Association;HFPA)に所属する会員の投票によって選出される。1944年から始まり、51年には映画の部を「ドラマ部門」と「コメディー/ミュージカル部門」に分け、55年にはテレビの部を新設。2007年には、アニメ作品賞を設け、現在、映画部門14、テレビ部門11、計25の賞と、映画に貢献した人物をたたえるセシル・B・デミル賞(1952年創設)から成っている。アカデミー賞の前哨戦とも言われている。2012年1月15日、第69回目の授賞式がロサンゼルスで行われた。コメディー/ミュージカル部門では、最多6部門にノミネートされていたミシェル・アザナビシウス監督の「アーティスト」(12年4月7日日本公開)が高い前評判通り、作品賞、主演男優賞、作曲賞の3冠に輝いた。「アーティスト」は、時代に取り残されていくサイレント(無声)映画のスターとトーキーの波に乗る新進女優との恋愛ストーリーを、モノクロ、無声で描いた意欲作で、11年の第64回カンヌ国際映画祭でも主演男優賞を受賞。1月21日に発表された第23回アメリカ製作者組合(PGA)賞(映画部門)も受賞した。ドラマ部門では、アレクサンダー・ペイン監督、ジョージ・クルーニー主演の「ファミリー・ツリー」(12年4月GW日本公開)が作品賞と主演男優賞を受賞。ドラマ部門の主演女優賞は「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(12年3月16日日本公開)のメリル・ストリープ。またマーティン・スコセッシ監督が自身初の3D映画「ヒューゴの不思議な発明」(12年3月1日日本公開)で監督賞を受賞した。