財団法人日本漢字能力検定協会が公募して、最も多く寄せられたその年の世相を表す一文字の漢字。1995年から実施し、毎年12月12日の「漢字の日」に合わせて1年を振り返り、京都の清水寺の貫主が揮毫(きごう)する。2012年は、25万8912通の応募があり、「金」が9156通(3.54%)で最多となった。応募者が選んだ理由としては、932年ぶりに日本の広範囲で観測された金環日食などの天文現象や、ロンドン・オリンピックでの日本選手団の活躍、京都大学の山中伸弥教授のノーベル医学・生理学賞受賞の「金字塔」が打ち立てられたこと、また消費税増税、生活保護費の増大、東日本大震災の復興予算の不明瞭な使途など、「金(かね)」をめぐる問題が挙げられた。2位は「輪」(金環日食の輪、ロンドン・オリンピックの日本チームの輪、東日本大震災復興の輪など)、3位は「島」、4位は「領」でともに竹島や尖閣諸島をめぐる問題が主な理由であった。5位は「乱」で、近隣諸国との関係や脱原発デモの発生などの政治混乱、政党乱立などを表した漢字が続いた。