クリスマスに食べるケーキ。フランスのブッシュ・ド・ノエルは、薪の形のロールケーキで、クリスマスイブに大きな薪を暖炉で燃やす習慣「ユールログ」に由来する。イギリスで食べられるクリスマスプディングはプラムプディングともいい、ドライフルーツやナッツの入った蒸しケーキで、いわゆるカスタードプディングとは異なる。ドイツでは酒に漬けたドライフルーツを混ぜたシュトーレンという菓子パンをクリスマスの4週間前のアドベント(待降節)に焼き、クリスマスまで少しずつ食べる。イタリアでもオレンジピールなどドライフルーツ入りの菓子パンパネトーネを焼く。クリスマスケーキはもともとエピファニー(公現祭)というキリスト教の祭日を祝って食べられた「十二夜のケーキ」に由来する。フランスではいまでも十二夜のケーキとしてガレット・デ・ロワを食べる習慣が残る。日本のクリスマスにデコレーションケーキを定着させたのは洋菓子店の不二家で、1910年の創業年に販売したのが最初とされる。