ローマ教皇ベネディクト16世が、2008年6月28日を「使徒聖パウロの生誕2000年の日」とし、翌09年6月29日までを特別聖年として定めた一年。パウロ(Paulos 希 ?~62/64ころ)は、小アジアのタルススに生まれた正統的なユダヤ教徒で、初めはユダヤ教を軽視するキリスト教を迫害していた。しかし33年、突然「パウロの回心」と呼ばれるキリスト教に目覚める体験を経て、以降は熱心なキリスト教の伝道者となり、地道な布教の活動により初期キリスト教成立の礎を作り、62年(60年もしくは64年とも)に、キリスト教を迫害するローマ皇帝ネロの下で殉教を遂げ、後に聖者に列せられた使徒である。08年6月、ローマ教皇はパウロ年の開催にあたり、パウロの霊性に導かれて学び、典礼・文化行事を行い、教会一致を促進するよう呼びかけた。