2008年5月に発売された集英社新書のタイトル。東京大学大学院教授の政治学者で、テレビの討論番組などでも活躍する姜尚中(カン・サンジュン)の著。著者が学生時代から大きな影響を受けたという文豪・夏目漱石と、ドイツの社会学者マックス・ウェーバーの、作品や思想を引用しつつ、自我肥大、金銭の力、情報化、労働、愛、老いなど、現代人の思い悩むさまざまな問題について、ひとつひとつ、真摯(しんし)に、丁寧に語っていく。著者は、人生において、何か問題が生じた時、確信が得られるまで最後まで悩み続け、その上で真の強さを身につけるという生き方を提唱している。また当書は、インタビューの内容に後から著者が加筆する形で編集されており、難解になりがちなテーマでありながらソフトな語り口でまとめられている。老若男女問わず、広い読者層の支持を集めており、刊行1カ月で10万部を突破。08年9月には45万部を超えるベストセラーとなっている。