ズボンを腰骨の下まで(下着が見えるまで)ずり下げて着崩すファッション。腰ばきとも。アメリカ発祥であり、刑務所で囚人たちに着用させる囚人服が、自殺や凶器として使われることを防ぐためにベルト無しであったことがルーツともいわれる。1990年代初めにヒップホップ系アーティストが始め、黒人やヒスパニック系の若者を中心に流行。その後、ヒップホップ文化とともに世界に広がり、日本でもサーファーなどの若者の間で流行。90年代後半からは中高生の制服の着こなしとしても浸透した。近年、アメリカでは公序良俗を乱すものとして問題化しており、罰金刑などを科す規制条例が一部の市で施行される一方で、こういった条例が表現の自由を保障した憲法に違反するとの判決も出るなど、議論の対象となっている。2010年2月に開催されたバンクーバー・オリンピックで、全日本スキー連盟が、現地入りしたスノーボードハーフパイプ日本代表の国母和宏の公式ウエアの「腰パン」など着こなしを問題視し、選手村入村式や開会式への出席を自粛させた。国母は謝罪会見を行い、競技には出場したが、在学する東海大学は予定していた応援会を中止。国会では川端達夫文部科学大臣が、国母の服装について遺憾の意を表明するなど、さまざまな波紋が広がった。