シャンソン歌手でエッセイストの石井好子(1922~2010年)が、1963年に始めたシャンソンの祭典。シャンソンとはフランスの大衆歌謡を指し、フランス語ではシャンソン・フランセーズと呼ばれる。日本では、20年代に宝塚歌劇団で紹介されて、50~60年代に静かなブームとなった。「パリ祭」の名は、フランス革命の記念日7月14日に合わせてコンサートが行われることに由来する。当初は、石井好子の事務所所属の歌手が中心となって日比谷野外音楽堂で行われたが、2000席の会場に5000人が詰めかけるなど好評を博し、以後毎年開催される。次第に規模を拡大しつつ出演者も多彩となり、99年の第37回からはNHKホールで行われるようになって、シャンソンコンサートとしては国内最大規模、夏の大イベントに成長した。パリ祭出場権をかけたコンクールを併催した時期には加藤登紀子らを輩出した。2012年は節目となる第50回を迎える。主催はパリ祭実行委員会と一般社団法人・日本シャンソン協会。後援はフランス大使館と公益財団法人日仏会館。創始者の石井好子や、石井が1991年に設立した日本シャンソン協会会長職を引き継いだ芦野宏(1924~2012年)らの追悼も兼ねる。出演者は、宝塚歌劇団の元トップスター高汐巴(たかしおともえ)や峰さを理ほか、前田美波里、美川憲一、クミコ、佐々木秀実、秋元順子、ロック歌手ROLLYなど。50回にちなんで計50曲が披露される。