郵便局株式会社、東日本旅客鉄道、三菱地所が共同で、東京駅駅前広場に隣接する旧東京中央郵便局跡地(千代田区丸の内)に建設した高層ビル。「丸の内駅前エリアの新たなランドマーク」と位置づけている。地上38階、地下4階建て、高さ約200メートル、延べ床面積約21万2000平方メートル。JR東京駅と地下で直結している。2012年5月31日竣工。13年春に予定されているグランドオープンにさきがけ、12年7月17日、東京中央郵便局と株式会社ゆうちょ銀行本店が移転、営業を開始した。旧東京中央郵便局舎は、逓信建築家の吉田鉄郎(1894~1956)が設計し1931年に竣工した、白色タイルの外壁に黒色建具枠の窓が特徴的な歴史的建造物で、2009年の再開発計画の際は「文化財としての価値が失われる」など当時の鳩山邦夫総務大臣が異議を唱えて話題となった。こうした経緯からJPタワーは、地上5階まで旧東京中央郵便局の外観を維持し「風格ある歴史的景観」を継承。新たにオープンする東京中央郵便局の内装には、創建当初の黒大理石を使った八角形柱や壁なども復原整備。切手シートや特殊切手など約200種類を常設する国内最大級の展示コーナーを設けている。そのほか建物低層部分は飲食・物販を中心とした商業施設、国際カンファレンスセンター、東京シティアイ(国際ビジネス・観光情報センター)、インターメディアテク(JPタワー学術文化総合ミュージアム)などの施設が入り、高層階はガラスカーテンウォールによる先進的デザインのオフィス棟となる。設計監理は三菱地所設計、提携建築家としてヘルムート・ヤーン(Helmut Jahn 1940~)が参加。商業施設内装は隈研吾(1954~)がデザインした。