歌舞伎座「さよなら公演」を記念して、松竹と読売新聞社が募集。応募総数1万5971通で、歌舞伎座開場100年を記念した前々回1987年の6280通、松竹創業100年を前にした前回94年の8778通を大きく上回る結果となった。1位は過去2回と同じ「勧進帳」。今回上位に選ばれた演目の特徴は、大阪を舞台とした上方の3作品が入り、舞踊や明治以降の新歌舞伎の演目などもバランス良く選ばれたこと。「菅原伝授手習鑑」や「俊寛」「伽羅先代萩」など、ドラマとして面白い作品が人気を集める傾向が強まったとの分析もある。順位は以下のとおり。(1)勧進帳、(2)義経千本桜、(3)京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)、(4)仮名手本忠臣蔵、(5)白浪五人男、(6)助六、(7)桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)、(8)源氏物語、(9)連獅子、(10)恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)、(11)菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)、(12)三人吉三(さんにんきちさ)、(13)阿古屋、(14)俊寛、(15)伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)、(16)暫(しばらく)、(17)女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)、(18)里見八犬伝、(19)曽根崎心中、(20)元禄忠臣蔵。唐破風(からはふ)屋根を持つ桃山時代様式の歌舞伎座は、51年に吉田五十八の設計で建てられたが、老朽化のため2010年4月の公演を最後に解体・建て替えが決まっている。松竹はこの20選を、09年1月から始まる「さよなら公演」の演目の参考とする。