「アートと海を巡る百日間の冒険」をテーマに、瀬戸内海の七つの島と高松港周辺を舞台として展開される現代アートの祭典。2010年7月19日から10月31日まで開催されている。17の国と地域から参加する75組のアーティストの作品が、香川県の小豆島、豊島(てしま)、直島、女木島(めぎじま)、男木島(おぎじま)、大島、岡山県の犬島の七つの島に分散する。観客は地図を見ながら、アート作品化した船舶や自分の足で島を巡り、作品を鑑賞するとともに瀬戸内海の美しい景観と自然を体感することができる。総合ディレクターは、越後妻有(つまり)アートトリエンナーレでも同職を務める女子美術大学教授の北川フラム。犬島では、プリツカー賞を受賞した建築家の妹島和世が設計し、東京都現代美術館のチーフキュレーター長谷川祐子がアートディレクターを務めた「家プロジェクト」を展開。点在する家屋をギャラリーに改修して、集落を再生させる。直島では、現代美術家の大竹伸朗が、元歯科医院の建物や現役の銭湯をさまざまなオブジェでコラージュし作品化。豊島では、美術家の横尾忠則が、空家を使って絵画作品を展示するほか、国内外の有名アーティストの作品が集まっている。女木島では休校中の小学校などをギャラリーにして、世界各地の画廊の作品を展示。小豆島では、棚田を生かした屋外作品が設置される。期間中、各島を巡回するシンポジウムなど、各地でイベントも行われる。同芸術祭は、期間中30万人の集客を目指しており、2010年を第1回として、3年ごとの開催を目指している。