年齢制限のないサッカー日本女子代表チームにつけられた愛称。2004年のアテネ・オリンピック出場決定を機に愛称を一般公募することになり、応募総数約2700通の中から世界に羽ばたくためのイメージを持つ名前として選ばれた。11年6月26日から7月17日(現地時間)にかけて、ドイツで開催されたFIFA女子ワールドカップドイツ2011に参加したなでしこジャパンは、佐々木則夫監督に率いられ、欧米チームの大柄な体格を利したパワーとスピードのサッカーに対して、小柄ながら早いパス回しと高い技術、豊富な運動量をチームカラーとして大会に臨んだ。グループリーグ(1次リーグ)グループBではニュージーランドを2-1、メキシコを4-0で連破し、イングランドに0-2と敗れたもののグループ2位で決勝トーナメントへの進出を決めた。トーナメントでは、初戦準々決勝で大会2連覇中の優勝候補ドイツを延長の末1-0で、準決勝でスウェーデンを3-1で破り、悲願のメダル獲得を決めた。決勝の相手はFIFAランク1位のアメリカ。ゲームはアメリカが得点するたびに日本が追いつく展開となり、延長でも決着がつかずに2-2で引き分け、PK(ペナルティーキック)戦にもつれこんだ。PK戦ではアメリカが3本連続で失敗、3-1で日本がワールドカップ初優勝を遂げた。それまでの対戦成績は日本の0勝3分け21敗で、日本不利の下馬評を覆す勝利だった。また、澤穂希は大会通算5得点で得点王を獲得するとともに、大会MVPに輝いた。なお、その偉業と最後まで諦めない姿勢が国民に勇気を与えたとして、日本政府は8月2日、団体としては初となる国民栄誉賞の授与を発表した。
なでしこジャパンのFIFA女子ワールドカップドイツ2011招集メンバー21人は以下の通り(冒頭の数字は背番号)。ゴールキーパー1山郷のぞみ、12福元美穂、21海堀あゆみ、ディフェンダー2近賀ゆかり、5矢野喬子、14上尾野辺めぐみ、3岩清水梓、15鮫島彩、16田中明日菜、4熊谷紗希、ミッドフィールダー10澤穂希、8宮間あや、9川澄奈穂美、6阪口夢穂、13宇津木瑠美、フォワード7安藤梢、18丸山桂里奈、11大野忍、17永里優季、19高瀬愛実、20岩渕真奈。