作家の新井満が翻訳・作曲し、本やCDとして発表した短詩。亡くなった者が、その死を悲しむ人へ、自分は風となったのだから嘆かないで、と語る内容で、もとは作者不詳の英語詩だった。アイルランド共和軍(IRA)のテロで亡くなった青年が、両親への手紙に記していたり、アメリカ同時多発テロの追悼式で、遺児が朗読したり、以前から世界中で読み継がれていた。日本では、新井訳・作曲版が、阪神・淡路大震災や、JR福知山線脱線事故の追悼式などで歌われ、深い悲しみを負った人々の心を慰めてきた。2006年末のNHK「紅白歌合戦」で、テノール歌手の秋川雅史が歌ったのをきっかけに、いっそうの広がりを見せ、クラシック系シングルCDとしてはオリコン・チャート初の首位(07年1月22日付、週間)を獲得した。