鳥取県東伯郡三朝(みささ)町にある三徳山三佛寺(みとくさんさんぶつじ)にある国宝のお堂。平安時代後期の建物で、現存する神社本殿形式としては最古級。高さ約100mの断崖絶壁に開いた洞窟に、しがみつくように建っていることから、修験道(しゅげんどう)の開祖役行者(えんのぎょうじゃ)が、法力で投げ入れたといわれる。文化財保護と滑落事故防止のため、1940年代後半から一般の立ち入りを禁じてきたが、2006年に開山1300年記念の修復工事が完了し、これを祝う落慶法要の一環として、翌07年11月14日、およそ60年ぶりに1日限りの特別拝観を実施。約340人の希望者の中から選ばれた男女3人が、住職ら9人の僧侶とともに、作務衣(さむえ)に白い輪袈裟(わげさ)、藁草履(わらぞうり)姿で標高差約200mの険しい参道を進み、最後は約20mの絶壁をよじ登った。なお、三朝町と鳥取県は、三徳山の世界遺産登録を目指し、官民一体の推進運動を進めている。