九州に唯一残るSL(蒸気機関車)58654号機の愛称。2009年4月25日からの復活運転を目指して、JR九州が小倉工場で修復作業を進めてきたが、ほぼ作業を終えた08年12月16日、ボイラーに点火する安全祈願の「火入れ式」が行われた。1922年(大正11)に製造された国産初の量産型蒸気機関車8620形で、通称「ハチロク」と呼ばれ親しまれた機種の中で、最後まで現役を務めた。1975年の引退後は、熊本県人吉市の「人吉市SL展示館」に保存されていたが、88年に「SLあそBOY」号として復活。JR豊肥線の熊本~宮路間を観光列車として運行したが、老朽化が進み2度目の引退に至った。しかし、復活を願う鉄道ファンの要望により、2007年1月に2度目の復活が決定。車体の基礎となる台枠を一から作り直すなど、約2年がかりの大修理が行われた。運行区間はJR鹿児島本線・肥薩線の熊本~人吉間。1日1往復で、休日を中心に年間120~150日程度運転される。