詩人、中原中也の業績を顕彰することを目的に、優れた現代詩の詩集に贈られる賞。主催は中也の出身地である山口県山口市で、1995年に創設された。2010年現在の選考委員は、荒川洋治、井坂洋子、北川透、佐々木幹郎、佐藤泰正、高橋源一郎の6人。選考の対象となるのは、前年11月までの1年間に刊行された現代詩の詩集。受賞者には中原中也のブロンズ像と100万円が贈られる。過去にはアーサー・ビナードや川上未映子などが受賞した。10年2月13日、第15回中原中也賞に、文月悠光の「適切な世界の適切ならざる私」が選ばれた。文月は北海道札幌市に住む1991年生まれの高校生。中原中也記念館HPに掲載された発表によれば、選考委員は「14歳から17歳までに書かれた詩とはとうてい思われない豊かな達成」として、「若い敏感で痛々しい女性の身体感覚で世界を触っている」と一致して評価したという。賞の贈呈式は、中原中也の誕生日である4月29日に行われる。