「喜劇王」チャーリー・チャプリン(1889~1977)がデビュー直後に出演していた幻の作品。1914年1月に撮影、2月に公開された10分ほどの無声映画でタイトルは「A THIEF CATCHER」。2010年7月18日までにフィルムが発見されたと、アメリカのメディアが報じた。日本公開されていないので、「泥棒を捕らえる人」「泥棒逮捕人」など今回さまざまな仮訳がつけられた。チャプリンがアメリカのキーストーンスタジオに所属していた24歳の時の作品で、間抜けな警官役としておよそ3分間出演。脇役ながらトレードマークのちょびひげやその身振りなどに、後年世界的な人気を博したチャプリンらしさが見えるという。作品の存在自体は知られていたが、チャプリンの出演記録は残されておらず、やがてフィルムも行方不明になり、詳細がわからなくなっていた。2009年11月、映画史家がミシガン州の骨董市にて100ドル(約8700円)で購入。翌年3月に鑑賞したが、チャプリンによく似た俳優が映っていたため、専門家に連絡を取り確認してもらったところ、本人と判明した。フィルムはこの後バージニア州のスラップスティック(ドタバタ)映画祭で公開後、DVDとして発売される予定。