国立大学法人宇都宮大学が、栃木県と連携して2009年10月に立ち上げた「里山野生鳥獣管理技術者養成プログラム」の修了者に与えられる資格。イノシシやサルなど、田畑や里山を荒らす鳥獣の被害は年々深刻化し、高齢化が進む農家に打撃を与え、地域のさらなる過疎化を招くという悪循環を生んでいる。そこで、地域住民、自治体などと連携して対策を進めるため、鳥獣被害対策の専門家を5年間で60人以上養成することを目指している。大学院生または4年制大学卒業者を受講対象にした、地域の情報収集や問題点の解明、解決策の提案、実施計画策定などを総合的に行える「地域鳥獣管理プランナー」と、一般社会人を対象とした、地域ぐるみの防除対策を現場で指導できる「地域鳥獣管理専門員」の2コースがある。受講料は13年までは無料の予定で、野生鳥獣の生態や被害状況、関連する法律・法制度などの講義とともに、現地での防御柵設置などの実習、インターンシップを1年間かけて行う。10年9月に修了課題を発表した1期生20人のうち、所定単位を取得した17人に鳥獣管理士の資格が授与された。