アメリカの首都ワシントンD.C.で、毎年春に開かれているイベント。正式名称は、「ナショナル・チェリーブロッサム・フェスティバル」。市内中心部を流れるポトマック河畔にある入り江「タイダルベースン」の岸付近に植えられたおよそ3800本の桜が満開を迎える3月下旬に始まり、2週間にわたってパレードや「桜の女王」コンテスト、たこ揚げ大会、コンサートなどさまざまな行事が行われる。また期間中に行われる日本文化紹介イベントは全米最大規模とされ、伝統芸能や美術、邦画、日本食、花見からJ-POPやサブカルチャーまで、幅広い日本文化が紹介される。「ポトマックの桜」は、1912年(明治45)に日米親善のシンボルとして、当時の東京市長・尾崎行雄がワシントンに約3000本の苗木を贈ったのが始まり。その時ヘレン・タフト大統領夫人らが植えた2本のソメイヨシノを含む約100本は、今も風格ある姿を保っている。フェスティバルは49年に始まり、桜の成長とともに規模を拡大。今では全米各地をはじめ、毎年世界中から100万人以上が訪れる。2012年は3月20日の開幕。寄贈100周年を記念して会期を約5週間に延長し、日本からはアイドルグループAKB48や歌手のMISIA、雅楽師の東儀秀樹、狂言師の野村萬とその次男万蔵などが参加。また福島第一原発事故の計画的避難区域福島県川俣町の若者らによる太鼓クラブや、東日本大震災の被災地にある東北大学のジャズオーケストラが公演し、アメリカの支援に感謝し、復興への意志を見せた。