チンパンジーなど、人間以外の霊長類を含めて考古学の研究対象とする新しい研究分野。2009年7月16日、京都大学やイギリスのケンブリッジ大学をはじめとする日本、アメリカ、ヨーロッパの18人の霊長類学者や考古学者が、イギリスの科学誌「ネイチャー」誌上で提唱した。人間以外の霊長類にも文化があることがすでに判明しているが、近年の研究で、アフリカのチンパンジー、東南アジアのカニクイザル、南米のフサオマキザルと、人間以外の3種類の霊長類が石器を使っていることが明らかになった。霊長類考古学は、人間だけでなく、こうした霊長類の文化と歴史を研究対象とする。他の霊長類が石器などの道具を製作・使用した痕跡を発見・分析したり、現在においてどのように道具が使用されているかを観察し、比較することで、人類の道具製作・使用の歴史についても検証を深めることができるとしている。