ラグビーのニュージーランド代表チームの愛称。2011年10月23日、オークランドのイーデンパークで行われたラグビー・ワールドカップニュージーランド大会決勝で、オールブラックスは8-7でフランスを破り、1987年の第1回大会以来24年ぶり2度目の優勝を果たした。オールブラックスという名称は、1905~06年、ラグビー発祥の地でホームネーションズ(Home Nations)と呼ばれるイングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズなどへの遠征時、初めて代表チームに冠された。名前の由来は黒一色のユニフォームからとされるが、異説もある。通算成績ですべての国に勝ち越している唯一のチームであり、国際試合最多勝利チームでもある。また同じ南半球の強豪で、いずれもワールドカップ優勝経験のあるオーストラリア、南アフリカとの間で行われるトライネーションズでは16回のうち優勝10回。2001年から始まった国際ラグビー評議会によるIRBアワードでも、最高チーム選出は最多の6回。世界ランキングでも2度の例外(03年、07年)を除き、1位が指定席という文字通り世界最強のチームだ。ところがワールドカップだけは、第1回大会以来優勝から遠ざかっていた。オールブラックスの代名詞ともいえるのが、試合前に演じられる出陣の儀礼「ハカ」。先住民マオリ族の伝統舞踊で、演目は数百種類あると言われるが、オールブラックスが主に踊るのは「カ・マテ(Ka Mate)」。腕や膝をたたいたりしながら激しく歌い踊る勇壮な舞踊で、味方の士気を鼓舞し、相手を威嚇するものとされる。これは、ポリネシア文化圏に広く見られるウオークライ(戦いの雄叫び)と呼ばれる儀礼の一種で、他の代表でもトンガは「シピタウ」、フィジーは「シンビ」、サモアは「シバ・タウ」を踊る。