過去約1年の間に発売された邦楽CDアルバムの中から、CDショップの店員の投票によってベストタイトルを選出する音楽賞。CDショップの現場から音楽を盛り上げるべく、2008年5月に発足した全日本CDショップ店員組合が主催し、09年の第1回を皮切りに毎年開催されている。対象となるのはオリジナルアルバムで、ベスト盤や再発売されたものは除くが、メジャー(大手レコード会社)かインディーズ(独立系のレコード会社)かは問わない。選出方法は二次投票制で、一次投票では、店員1人当たり1作品(第3回までは3作品)を選んで投票し、集計された上位20作のノミネート作品すべてを聴いた人が、1作品を絞り込んで二次投票に参加する。第3回からは投票の際に200文字以上、第4回からは100文字以上のコメントを添えることが決められ、票数ごとに大賞、準大賞、入賞を決定するが、準大賞と入賞の数は流動的に変わる。ほかに各部門賞も新設され、第2回からは洋楽アルバムを対象にする洋楽賞と、地域ゆかりの一押しアーティストを選出する地方賞の2部門が、第4回では、第一線で活躍するアーティストを対象にするマエストロ賞、新しい息吹を感じさせるアーティストを対象にするニューブラッド賞、ライブに定評のあるアーティストを対象にするライブパフォーマンス賞、その年を象徴した曲や話題となった曲を対象にする全日本CDショップ店員組合2012特別賞の4部門が加えられた。歴代の大賞タイトルは、第1回(09年5月12日)が相対性理論の「シフォン主義」、第2回(10年1月21日)がTHE BAWDIES(ザ・ボゥディーズ)の「THIS IS MY STORY」、第3回(11年1月20日)がandymori(アンディモリ)の「ファンファーレと熱狂」、第4回(12年2月27日)がももいろクローバーZの「バトル アンド ロマンス」となり、いずれも大ヒット作ではなく、CDショップの店員ならではの、隠れた名盤やアーティストにまで目配りする姿勢が反映されている。