フランスの山岳団体と山岳雑誌が世界の優れた登山家に毎年贈っている賞。ピオレドール。1991年に創設され、「登山界のアカデミー賞」とも呼ばれる。前年の新ルートでの登山の中から、技術の高さや開拓精神などを基準にして受賞者(隊)を決める。2009年4月25日にフランスのシャモニーで行われた第17回目の授賞式では、ノミネートされた6隊から、日本の2隊とスイス隊の計3隊が選ばれた。日本の受賞は初めてで、ともにヒマラヤの未踏ルートを初制覇した成果が評価された。受賞した日本隊のうち1隊は、インド北部カランカ(6931m)の北壁を新ルートで制覇した、佐藤裕介さん、天野和明さん、一村文隆さんのチーム。もう1隊はインド北部カメット(7756m)の南東壁を初登攀(とうはん)した平出和也さんと谷口けいさんで、谷口さんは同賞初の女性受賞者ともなった。