映画芸術科学アカデミーが主催するアメリカ映画最大の祭典で、第1回は1929年に開かれた。受賞者には副賞のトロフィー、オスカー像(正式名はアカデミー・アワード・オブ・メリット)が渡される。第84回の発表と授賞式は、2012年2月26日にロサンゼルスのハリウッド&ハイランド・センター(コダックの経営破たんによりコダックシアターから名称が変更)で行われた。第84回は、10部門でノミネートされた、1920年代ハリウッドを描いた全編モノクロの無声映画「アーティスト」と、11部門でノミネートされた。1930年代パリを舞台にしたマーティン・スコセッシ監督のファンタジー3D映画「ヒューゴの不思議な発明」の対決が注目された。結果、「アーティスト」がフランス映画で初となる作品賞の受賞など、主要部門を含む5部門で受賞、一方、「ヒューゴの不思議な発明」は撮影賞など技術系の5部門で受賞した。なお、無声映画の作品賞受賞は第1回以来、83年ぶりのこと。第84回のおもな受賞は次の通り。
◇作品賞「アーティスト」◇監督賞ミシェル・アザナビシウス(「アーティスト」)◇主演男優賞ジャン・デュジャルダン(「アーティスト」)◇主演女優賞メリル・ストリープ(「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」)◇助演男優賞クリストファー・プラマー(「人生はビギナーズ」)◇助演女優賞オクタビア・スペンサー(「ヘルプ~心がつなぐストーリー」)◇脚本賞「ミッドナイト・イン・パリ」◇脚色賞「ファミリー・ツリー」◇撮影賞「ヒューゴの不思議な発明」◇編集賞「ドラゴン・タトゥーの女」◇美術賞「ヒューゴの不思議な発明」◇衣装デザイン賞「アーティスト」◇メーキャップ賞「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」◇作曲賞「アーティスト」◇視覚効果賞「ヒューゴの不思議な発明」◇音響編集賞「ヒューゴの不思議な発明」◇録音賞「ヒューゴの不思議な発明」◇歌曲賞「マン・オア・マペット」◇長編ドキュメンタリー賞「UNDEFEATED」◇長編アニメーション賞「ランゴ」◇外国語映画賞「別離」(イラン)