オリンピックの参加選手は、各国の国内オリンピック委員会(NOC)によって派遣される規定となっているが、NOCが存在しない国や地域から、国際オリンピック委員会(IOC)の特別措置によって、個人資格での参加を認められる場合がある。2012年ロンドン・オリンピックでは、11年7月にスーダンから分離独立した南スーダンの出身で、難民としてアメリカに住む男子マラソン選手のグオル・マリアルが個人資格による参加を認められた。同選手は11年10月、アメリカの大会でオリンピック参加標準記録を突破したが、南スーダンにはまだNOCがないために代表選手としての出場資格がなく、支援者らがIOCに個人資格での参加を認めるよう働きかけていた。ロンドン・オリンピックではこのほか、カリブ海の島々からなるオランダ領アンティル出身の3選手も個人資格での参加を認められた。過去の大会では、2000年シドニー・オリンピックにおいて、インドネシアからの独立に向けて国連の暫定統治下にあった東ティモールから4選手が参加を認められたケースなどがある。個人資格による参加の場合、開会式などでは国旗でなく五輪旗が使用される。