国際スケート連盟(ISU)が承認する、フィギュアスケートの国際大会グランプリ(GP)シリーズの日本大会。グランプリシリーズとは、アメリカ、カナダ、中国、ロシア、フランス、日本で開催される6戦と、大会成績上位選手が進出して戦うグランプリファイナルの総称。オリンピックや世界選手権の前に行われるヨーロッパ選手権(ヨーロッパ地域)、四大陸選手権(アメリカ、アジア、オセアニア、アフリカ地域)とともに主要な国際大会として位置づけられている。NHK杯は、1979年に日本スケート連盟創立50周年を記念し、アジア初の国際フィギュアスケート大会として実施されたのが始まりで、2012年大会で34回を迎える。日本の競技会運営力や音響技術、ホスピタリティーの高さが評価され、トップクラスの選手が参加を希望する世界有数の国際競技会であるとともに、自国選手に国際舞台で活躍する場を与え、かつ地元開催の話題性を大きく取り上げ、スポーツ人気を社会に広く浸透させるという趣旨をもつ大会でもある。1995年、国際スケート連盟が、現在のグランプリシリーズの前身であるチャンピオンシリーズを創設したとき、アメリカ、カナダ、ドイツ、フランスの大会とともにシリーズ5大会の一つとなった。99年にグランプリシリーズに改名、ロシアが加わり6大会となり、2003年からドイツに代わって中国が加わった。出場した2大会の合計成績(順位をポイントに換算)が最も高いトップ6人(組)が進出するファイナルの形式も1995年から開始された。NHK杯では過去たくさんの名試合が繰り広げられ、フランスのフィリップ・キャンデロロなどNHK杯優勝がきっかけで一挙に世界のトップに仲間入りする選手も多い。日本男子シングルでは、五十嵐文男、本田武史、高橋大輔、織田信成、羽生結弦の5人が優勝のタイトルを獲得。日本女子シングルは、第1回大会で渡部絵美が優勝、また伊藤みどりが6回優勝という大会最高記録をもち、他に恩田美栄(よしえ)、荒川静香、村主章枝、中野友加里、浅田真央、安藤美姫、鈴木明子が優勝を手にしている。