水晶でつくられた人間の頭蓋(ずがい)骨模型。マヤ、アステカなど、中央アメリカの古代遺跡から出土した遺物とすることが多い。一説に人力で磨くと300年はかかるとも言われ、その時代にはそぐわない加工物「オーパーツ OOPARTS(Out Of Place Artifactsの略)」の典型とされる。2008年5月にアメリカで公開される映画「インディ・ジョーンズ」シリーズの19年ぶりの新作「クリスタル・スカルの王国」のテーマとなり、「全部で13個あり、すべて集めると宇宙の謎が明かされる」など、映画にも採り入れられた数々の伝説が注目を集めている。しかし、これまで発見された十数個のうち、プリズムなどの精巧な仕掛けで有名な「ヘッジス・スカル」と呼ばれるものは、マヤ遺跡の出土という来歴に信憑性がなく、1996年にはアメリカのスミソニアン博物館、2005年にはイギリスの大英博物館所蔵の品もそれぞれ捏造(ねつぞう)品と判明。07年に調査を始めた、フランスの国立ケ・ブランリ美術館が所蔵するドクロも、08年4月、19世紀後半にドイツで機械加工されたものとわかった。ケ・ブランリ美術館では映画の公開を記念して、08年5月20日から、これまでの経緯も含めた展示を行う。