国語施策の参考とするため、1995年度から、文化庁が毎年実施している調査。言葉遣いや国語力、慣用句や語句の意味、使い方など、国語に関する一般の人々の意識を調べる。2007年度調査は、08年3月1日~20日の間に、全国の16歳以上の男女3445人を対象に行われ、1975人の回答を得た。07年度調査は、国語力に関する意識に重点がおかれたが、国語の乱れについて、乱れていると思う人が79.5%との結果だった。日本人全般の国語力の課題を問う設問では、「敬語などの知識」が42.1%で、「他人の話を正確に聞く能力」36.8%、「相手の立場や場面を認識する能力」31.6%など、コミュニケーション能力の弱さが指摘された。一方で、自分自身の国語力に自信を持てない点としては、「説明したり発表したりする能力」32.5%、「考えをまとめ文章を構成する能力」29.8%があげられた。慣用句の理解では、「心血を注ぐ」64.6%、「心血を傾ける」13.3%など、本来の言い方が多数という句がある半面、「足をすくわれる」16.7%、「足下をすくわれる」74.1%など、誤った言い方が多数を占める例も見られた。言葉の意味でも、「檄(げき)を飛ばす」を、本来の、自分の主張を広く知らせる意味とする人が19.3%、刺激を与えて活気づける意味と考える人が72.9%、「憮然(ぶぜん)」を、失望してぼんやりするという本来の意味で使う人は17.1%、腹を立てている様子との意味で使う人が70.8%など、使い方の乱れが目立った。