クリスマスの晩に子どもたちにプレゼントを配るサンタクロースは、4世紀に小アジア(トルコ)のリキュアのミラに実在した、聖ニコラウス(Saint Nicolaus)に由来する。聖ニコラウスは、貧しい家の娘3人が苦境にあったとき、夜半、娘たちの家の窓から金袋を投げ入れて助けた、難破した船から船員を救ったなど、さまざまな伝説を持つギリシャ正教会の有名な聖人で、子どもや船員、商人などの守護聖人とされている。12月6日の聖ニコラウスの祝日(地域によっては前日)には、子どもたちにプレゼントが配られる慣習があり、これがのちにクリスマスに取り入れられた。聖ニコラウスの伝説は、17世紀になってニューアムステルダム(ニューヨーク)に移住したオランダ人によってアメリカへと伝えられ、聖ニコラウスのオランダ語表記「Sinter Klaas」から、サンタクロースの呼び名が生まれたとされる。また、かつてサンタクロースのイメージは、小人や妖精など、国や地域によって異なっていた。これが現在の人間味あふれる白いあごひげの老人として一般化したのは、1931年にアメリカのザ・コカ・コーラカンパニーがクリスマスキャンペーンで使った、アメリカ人画家ハッドン・サンドブロムのイラストが原型だと言われている。