将棋や囲碁などで、メインタイトルを既定回数獲得もしくは保持した棋士が、永久に名乗ることができる称号で、たとえタイトルを失冠しても称号は失わない。将棋の「永世称号」には7つのメインタイトルがあり、棋聖・名人は通算5期、王位・王座は連続5期か通算10期、棋王は連続5期、竜王は連続5期か通算7期、王将は通算10期にわたり、タイトルを保持すると有資格者となる(王座のみ名誉王座)。羽生善治王将は、王位、王座の3冠を保持してなお、永世棋聖・永世王位・名誉王座・永世棋王・永世王将の5つの永世称号をもつ。永世称号のなかでも、とりわけ永世名人は棋士の最高栄誉で、実力名人位を5期保持した棋士に与えられる。ただし現役では「名人資格保持者」で、現役引退後に永世名人を称する。実力制となってから、永世名人は故人の木村義雄(十四世)と大山康晴(十五世)、資格保持者は中原誠(十六世)と谷川浩司(十七世)の4人にすぎず、羽生はあと1期を達成すると、有資格者となる。
囲碁では「名誉称号」といい、棋聖・名人・本因坊・天元・王座・碁聖、NHK杯など7つのメインタイトルを、連続10期獲得した棋士が、現役で名誉称号を名乗ることができる。それ以外でも、連続5期または通算10期獲得した棋士が60歳に達すると、もしくは引退後に称号を名乗ることができる。名誉称号者は坂田栄男名誉本因坊、藤沢秀行名誉棋聖ら7人、名誉称号有資格者は石田芳夫名誉本因坊ら、3人である。