麹(こうじ)に塩と水を加えて発酵させたもの。塩糀とも書く。大豆を使わないみそのようなもので、東北地方では万能調味料として、古くから使われてきた。2010年にイラストレーターのおのみさが、「麹のレシピ-からだに『いいこと』たくさん」(池田書店)というレシピ本を出版して紹介したことで、注目されるようになった。適量の麹に、麹の重量の3分の1から4分の1程度の塩をもみ込むように混ぜ合わせ、水をひたひたになるくらい加えて、常温または冷蔵庫内で10日~2週間くらい発酵させて作る。見た目はおかゆのような状態で、甘酒に塩を入れたような甘味の混ざったまろやかな塩味となり、うまく発酵すると完熟したバナナのような香りになる。塩麹としての完成品も市販されている。肉や魚、野菜などの食材を漬けておくと、塩の働きで保存性が高まるだけでなく、麹に含まれる酵素によってデンプンやたんぱく質が分解されて、食材が軟らかくなったり、甘味やうまみを引き出したりする。また、焼き物や炒め物では、きれいな焼き色を付けたり、つやをだしたりすることもでき、塩と同じように幅広い料理に利用されている。