ワインを醸造する時、発酵前に糖分を補うことで、アルコール濃度を上げる工程。ワインの味に重量感を持たせるためで、甘くなるわけではない。シャプタリザシオンはフランス語、シャプタリゼーションは英語での呼び名。2007年12月26日、欧州連合(EU)農相理事会は、シャプタリザシオンの糖分補填量を制限することで合意した。アメリカ、南米、オセアニア、南アフリカなどの「新世界ワイン」に押されるEUでは、域内ワインの品質向上と競争力強化を図る欧州委員会が、07年7月4日、シャプタリザシオン全面禁止を含む改革案を出した。イタリアやスペインなど、ブドウの糖度が高い南欧ではすでに禁止していたので問題はなかったが、寒冷地のドイツやオーストリア、フランスが猛反対。欧州委員会も修正に応じる考えを示したが、南北対立の溝は深く、12月17日からの農相理事会での承認は疑問視されていた。しかし、並行して断行されるはずの各種補助金の全廃やブドウ畑の減反などには、南欧側も強く反発したため、結局禁止から制限へと大幅譲歩しての合意となった。