賢い(smart)送電網(grid)の意味で、IT(情報技術)を活用し、電力の流れを最適に調整、制御する次世代送電網のこと。需要と供給の量に合わせて自動的に、電力のあまっている地域から電気を回したり、企業や家庭のエアコンの設定温度を調節することなどができる。送電システムを効率的に運用でき、太陽光発電や風力発電といった発電量が天候などの影響を受ける再生可能エネルギーによる電源も利用しやすくなるため、二酸化炭素(CO2)の排出量削減に有効で、電力料金の引き下げにもつながるといわれている。アメリカのオバマ政権が掲げるグリーン・ニューディール政策の一つにスマートグリッドの実用化があり、IBMやグーグルなどの企業が事業化を進めている。日本でも研究が進んでおり、2010年度には東京電力が日立製作所、電力中央研究所などと組んで東京工業大学で実証実験を始めるほか、関西電力やシャープも堺市で実証実験を実施する予定。