日本における電子出版ビジネスの発展を目的に、2010年7月27日に大日本印刷と凸版印刷が発起人となって設立した任意団体。活動の柱として、(1)電子出版制作・流通ビジネスに関連する情報共有、(2)制作・規格・仕様・流通に関する協議、(3)電子出版産業の発展と普及にかかわる活動、(4)電子出版制作・流通ビジネスの日本モデルの検討及び協議、(5)商業・公共・教育・図書館等電子出版関連分野に関する情報共有、を挙げている。10年3月に大手出版社が中心となって設立した日本電子書籍出版社協会が、電子書籍における出版社・著作権者の権利保護に重点を置くのに対し、同協議会では印刷会社が培ってきたデジタル技術のノウハウを生かし、電子出版が普及するための環境整備と日本独自の制作・流通モデルを構築していくという。アメリカのキンドルやiPadなど、外資主導での電子書籍市場の拡大が進む中、日本では提供元がそれぞれの仕様や形態で配信している。日本語の文字表示や組版等の規格、紙媒体における管理コードに代わる流通システムなど、国内における電子出版環境の標準化を出版業界や端末メーカー、行政機関等との連携のもとに進める考え。設立時には印刷会社のほか、出版、新聞、ソフトウエア、通信、メーカーなどから、89の企業・団体が参加した。