墓石の中に納める代わりに墓所に樹木を植え、その下に遺骨を直接埋める埋葬法。1999年11月、岩手県一関市の祥雲寺が初めて導入し、その後、寺院や非営利組織(NPO)などの連携により、この形態で埋葬できる墓所は、全国15カ所まで増えているとされる。「死後は自然に帰って安らかに眠りたい」という日本人の死生観とも合致するうえに、散骨と違い、家族が死者と向き合える場が残る。また、都市部の緑化や墓所の集約、景観の整備、後継者のいない人も入れるといった合理的利点も多い。公営では、2006年横浜市営墓地に、3カ所の「合葬式樹木型」区画が開設。遺骨の直接埋葬はできないが、シンボルツリーの周囲に計3000の骨壺を埋葬できる。また、東京都でも、公園審議会が07年11月30日の発表で、樹木墓地の導入を提案した。特にここ1~2年人気なのは、桜の木の下で眠る「桜葬」。NPO法人エンディングセンターが企画した東京都町田市の桜葬墓地「木立」では、07年10月に募集した350の個人区画のうち、78区画がひと月で予約済みとなった。