2007年11月、国内の新種として公表されたクワガタムシ。体長は1cmほどで、オスは青緑、メスは銅色の美しい金属光沢がある。生息地は未公表だが、限られた山域の落葉広葉樹林に生息するとされる。08年1月、ネットオークションでオスメス1組の標本が十数万円で取引されたことがわかり、3月24日、環境省が「種の保存法」に基づき「緊急指定種」に指定した。指定期間は、同年3月26日から11年3月25日までの3年間。この期間中は個体の捕獲・殺傷、譲渡、輸出入、陳列などが禁止され、違反者には1年以下の懲役または100万円以下の罰金などの罰則がある。オークションの時点では違法ではないが、春になると乱獲による絶滅が危惧(きぐ)されるため、今回の措置となった。これまで緊急指定種に指定されたのは、1994年のワシミミズク、イリオモテボタル、クメジマボタルの3種。今後は指定期間内に生息状況などを調査し、国内希少野生動植物種への指定を検討する。