住民や観光客が自転車を共有し、特定区域内の貸し出し拠点で自由に乗り降りできるようにした新交通システム。海外では、「バイク・シェアリングシステム bike sharing system」などの名称で、渋滞対策や環境対策などを目的に1990年代から本格的な導入が始まり、ヨーロッパの主要都市部では1日数十万人が利用するなど、広く普及。リヨン(フランス)の「ベロブ Velov」とこれを手本にしたパリの「ベリブ Velib」、あるいは欧米十数都市で実施されている「スマートバイク SmartBike」などが知られている。日本でも、本格導入を目指す環境省が、2009年秋に「都市型コミュニティサイクル社会実験」を開始。9月19~30日に札幌市で行われた実験に続き、10月1日からは東京都心のビジネス街、大手町、丸の内、有楽町の3エリアでも始まった(~11月30日)。5カ所の拠点(エコポート)に50台の自転車と85台分の無人貸し出しラックを用意。利用料金は、初回登録料が1000円。最初の30分は無料で、以後10分ごとに100円、3時間を過ぎると5分ごとに100円となる。また、貸し出し時間の上限は24時間で、これを過ぎると自転車代金相当分を請求される。運営は、環境省の委託を受けた旅行会社JTB首都圏が行う。