直木賞作家京極夏彦の新作ミステリー小説。2010年5月15日に講談社から刊行。5日後の5月20日、野間省伸同社副社長と著者が記者会見を開き、同月28日のiPad日本発売に合わせて、同作を電子書籍として配信することを発表した。iPadのほかiPhone(アップル社の審査中)、PC、携帯でも購入できる。国内の大手出版社が新刊の文芸書を電子書籍として販売するのは初めての試み。価格は社会的にインパクトを与えようと、単行本が税別1700円のところ、iPad、iPhone向けが900円(税込)と約半額。発売から2週間は特別価格700円(同)で購入できる。PC向けは945円(同)、発売後2週間は735円(同)。また、携帯向けは1章ごとに分割され、各章100円(全6章)。どの端末でも、第1章は試し読み無料となっている。現時点では講談社の関連会社が開発したリーダーアプリを使用するが、出版社31社が加盟する「日本電子書籍出版社協会」では、6月上旬にはiPhone向け、秋にはiPad向けの閲覧ソフトを無料公開する予定。今後講談社では、すでにネットで上巻を全文無料公開している五木寛之の「親鸞」を近く第2弾として、また第3弾として京極夏彦の書き下ろし新刊を10年秋にも投入する予定という。