作曲家フレデリック・ショパンの命日である10月17日の前後3週間にわたり、5年に一度、ポーランドのワルシャワで開催されるピアノコンクール。課題曲はショパンのみで、その音楽性を競う。過去の優勝者にマウリツィオ・ポリーニなど、多くの世界的なピアニストを輩出しており、一流ピアニストの登竜門とも言われる。1927年に創設され、2010年で16回目を迎えた。世界各国から約350人の応募があり、日本をはじめアジアからの参加者も年々増えている。最終的に本選に進むことができるのは、10人。それまでにDVDによる審査、ワルシャワでの予備審査を経て、81人のコンクール出場者が選ばれ、さらに3次にわたる予選を勝ち抜かなければならない。本選ではオーケストラと協奏曲を演奏し、最終順位が決まる。ショパンの生誕200年という節目と重なった今回は、ロシア人女性のユリアンナ・アブデーエワが優勝。女性ピアニストの優勝は、1965年のマルタ・アルゲリッチ以来で、二人目となった。今回から審査を改善し、いままで公表されてこなかった採点表が公開された。また、コンクールの模様はインターネットでリアルタイム配信。日本勢は80年以降毎回入賞していたものの、今回は17人(二重国籍1人を含む)全員が本選前の予選で落選した。