スイスのジュネーブで、1939年から開催されている国際音楽コンクール。30歳以下のクラシック演奏家が出場できる若手音楽家登竜門として知られている。ピアノのほか声楽、打楽器、バイオリン、フルートなど、全体で20種類以上の多彩な部門を持ち、部門は毎年変わる。ピアノ部門は、フレデリック・ショパン国際ピアノコンクールやチャイコフスキー国際コンクールなどのいわゆる三大ピアノコンクールに匹敵する権威がある。歴代の優勝者には39年のアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリや、57年のアルゼンチンのマルタ・アルゲリッチなど世界最高レベルのピアニストがいる。巨匠マウリツィオ・ポリーニは2位だった。1位にふさわしい該当者がいなければ優勝者は出さないという厳しい審査基準でも有名。2010年の第65回同コンクールはピアノとオーボエ部門が行われた。ピアノ部門では決勝に進んだ3人の中から、10年11月18日、日本人として初めて萩原麻未が優勝。同部門では8年ぶりの優勝者だった。日本人ではほかに、1972年に吉原すみれが打楽器で、73年に河野俊子がフルートで、85年に番場ちひろが声楽で優勝している。