東京国際映画祭(TIFF/TOKYO INTERNATIONAL FILM FESTIVAL)の主軸であるコンペティション部門の最高賞。従来の最高賞だった「東京グランプリ」が2005年の第18回同映画祭から名称変更された。08年10月18~26日に、六本木ヒルズや渋谷Bunkamuraで行われた第21回同映画祭では、最終日に、カザフスタンの雄大なステップ地帯に生きる遊牧民一家の物語をドキュメンタリータッチで描いた、セルゲイ・ドボルツェボイ監督「トルパン」が選出され、同時に最優秀監督賞も受賞し2冠を達成した。「トルパン」は、08年のカンヌ国際映画祭でも「ある視点」部門で最高賞を受賞している。その他のコンペティション部門の主な賞は、審査員特別賞、最優秀女優賞、同男優賞、同芸術貢献賞などがある。コンペティション部門以外では、海外の映画祭などで話題になったものの、日本では公開が決まっていない洋画を集めて07年の第20回から始まった「WORLD CINEMA」部門や、アジア映画の発展を支援する目的で、アジアで製作された作品を対象にした「アジアの風」部門の評価が高かった。また、08年の映画祭のテーマである“エコロジー”に沿い、環境や自然を扱った秀逸作品に贈られる「アースグランプリ(TOYOTA Earth Grand Prix)」が新設され、ホセ・アントニオ・キロス監督による、スペインの小さな村で巻き起こる公害反対のんびりコメディー「フェデリコ親父とサクラの木」が選ばれた。