アメリカ、ワシントンのスミソニアン協会が所蔵する「ホープ・ダイヤモンド」のこと。ホープ・ダイヤモンドには持ち主が不幸になるという言い伝えがある。2008年11月18日、フランス国立自然史博物館は、この青いダイヤモンドが、17世紀フランスの太陽王ルイ14世が所蔵していた「フレンチブルー・ダイヤモンド」であると発表した。同博物館で発見されたフレンチブルーの鉛の複製に、一回り小さなホープ・ダイヤモンドがぴったりと納まったため「99%同一」と判定された。スミソニアン協会でも05年に、フランス革命前のスケッチ画やフランス王家の財宝に関する科学的計測結果から既に「同一のもの」との結論に達しているため、双方で確認されたことになる。ホープ・ダイヤモンドの起源は、1668年ころインドで発見された112カラット強のダイヤモンドと言われ、ルイ14世に買い取られカットされて67カラット強のフレンチブルーとなった。最後の所有者は処刑されたルイ16世と王妃マリー・アントワネットとされ、1792年、フランス革命の混乱のさなかに盗まれた。その後、ロンドンで売りに出され、実業家のヘンリー・フィリップ・ホープに買い取られた。ホープ・ダイヤモンドと言われるのはこのためである。いくつかの変転ののち、最終的には宝石商ハリー・ウィンストン社からスミソニアン協会に寄付された。持ち主が事故に遭う、破産する、変死するなどというのろいのうわさも、こうしたいきさつの中から生まれていった。現在では45.52カラットになっているが、ブルー・ダイヤモンドとしては世界最大である。