財団法人日本漢字能力検定協会が公募して、最も多く寄せられたその年の世相を表す一文字の漢字。毎年12月12日の「漢字の日」に合わせて、京都の清水寺の貫主が揮毫(きごう)して発表する儀式は、年の瀬を表す風物詩の一つとなっている。2009年は、総数16万1365通のうち「新」が1万4093票(8.73%)と最多であったことが11日に発表された。応募者があげた理由としては、「新政権」(日本の民主党政権誕生、オバマ大統領の就任)、「世界記録更新」(イチローやウサイン・ボルトによるスポーツの新記録)、「新型インフルエンザの猛威」、「新制度導入」(裁判員制度やエコポイント、エコカー減税などの新制度)などである。他には「薬」「政」「病」「改」「変」「民」「鳩」「代」「交」などの順となっている。「今年の漢字」は1995年の「震」(阪神・淡路大震災)から始まり、以下、96年「食」(O-157食中毒事件や狂牛病など)、97年「倒」(山一證券など大型倒産の続出)、98年「毒」(和歌山のカレー毒物混入事件、ダイオキシンや環境ホルモンなど)、99年「末」(世紀末、東海村の臨界事故や警察の不祥事など)、2000年「金」(シドニー・オリンピックでの金メダルなど)、01年「戦」(同時多発テロ事件で対テロ戦争、炭疽菌)、02年「帰」(拉致被害者の帰国、日本経済がバブル以前の水準に)、03年「虎」(阪神タイガースの18年ぶりの優勝など)、04年「災」(台風、地震、豪雨、猛暑など天災、子供の殺人事件、美浜原発の蒸気噴出事故)、05年「愛」(紀宮様と黒田さんのご成婚、純愛ブームなど)、06年「命」(親王の誕生など)、07年「偽」(食品から政界など様々な偽もの発覚など)、08年「変」(日本の首相の交代など政治の変、アメリカの次期大統領のchangeなど)であった。「今年の漢字」は(財)日本漢字能力検定協会の登録商標。