日本唯一の国際映画製作者連盟公認の国際映画祭。1985年より開催され、2011年で第24回を数える。開幕日に六本木けやき坂通りで国内外のゲストを招いて行われるグリーンカーペットが有名。新たな才能から成熟した監督までを対象に、世界中から厳選された作品の中からグランプリを選出する「コンペティション部門」のほか、日本未公開のエンターテインメント作品を集めた「特別招待作品」、TIFF最多の作品数と観客数を誇る「アジアの風」や「日本映画・ある視点」などのジャンルがある。第24回の期間は10月22日から30日。最終日には、76の国と地域から寄せられた975作品から選ばれた15作品の中から、コンペティション部門の最高賞「東京サクラグランプリ」に、フランスの「最強のふたり」(エリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ監督)が選ばれた。同作は、事故で首から下が完全に麻痺してしまった富豪と、介護役に抜擢された黒人青年との、実話に基づく交流を映画化したもので、主演のフランソワ・クリュゼとオマール・シーの2人が最優秀男優賞も受賞した。また審査員特別賞には、60歳の木こりとゾンビ映画の新人監督という、出会うはずのないふたりが出会って起こった奇跡を描いた「キツツキと雨」(沖田修一監督、役所広司・小栗旬主演)が獲得。最優秀監督賞は、実際のいじめ事件を鋭い洞察力で描いた「プレイ」のリューベン・オストルンド監督が、最優秀女優賞はアイルランドの映画「アルバート・ノッブス」のグレン・クローズが、最優秀芸術貢献賞には中国の「転山」(ドゥ・ジャーイー監督)と、アメリカの「デタッチメント」(トニー・ケイ監督)が、観客賞にはフランスとベルギーの映画「ガザを飛ぶブタ」(シルバン・エスティバル監督)が選ばれた。また、特別招待作品には、オーランド・ブルーム、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ローガン・ラーマンが共演する「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」が公式オープニングとして、ブラッド・ピット主演の「マネーボール」が公式クロージングとして上映されるなど話題作がそろい、特別オープニングにはジャッキー・チェン主演・総監督の「1911」も上映された。