民俗文化財とは、文化財保護法(最終改正は2011年)により、歴史上または学術上価値が高く、記録作成等の措置を講ずべきと定められた文化財の一つで、衣食住、信仰、年中行事などに関して、風俗慣習・民俗芸能・民俗技術(無形)と、それに用いられる衣服・器具・家屋(有形)とに分けられる。そのうち特に重要なものであると国が指定した無形の文化財を重要無形民俗文化財という。重要無形民俗文化財の指定基準は、風俗慣習のうち、由来、内容等において国民の基盤的な生活文化の特色を示す典型的なもの、年中行事、祭礼、法会等の行事で芸能の基盤を示すもの。または民俗芸能のうち、芸能の発生または成立を示すもの、芸能の変遷の過程を示すもの、地域的特色を示すもの。代表的な例として、秋田のなまはげ、愛知の三河万歳などがある。12年1月20日、文化審議会は、富士信仰にちなむ「吉田の火祭」(山梨県富士吉田市)ほか、「蛭ケ谷(ひるがや)の田遊び」(静岡県牧之原市)、「須成(すなり)祭の車楽船(だんじりぶね)行事と神葭(みよし)流し」(愛知県蟹江町)、「江包(えつつみ)・大西の御綱(おつな)」(奈良県桜井市)、「坂越(さこし)の船祭」(兵庫県赤穂市)、「地福(じふく)のトイトイ」(山口市)の合わせて6件を重要無形文化財に指定するよう、文部科学大臣に答申した。現在278件。