出版、チケット販売のぴあが1977年から行っている、自主製作、インディペンデント映画の面白さを広く伝え、映画界の新しい才能を発見、育成することを目的とした映画祭。毎年夏に東京で開催され、全国各地の施設でも上映会が行われている。メインプログラムは、世界でも珍しい自主製作映画のコンペティションPFFアワードで、受賞者には賞金のほか、PFFの援助により劇場用映画を撮るチャンスが与えられる。PFFアワードは、若手映画監督の登竜門的存在となっており、70年代には森田芳光、石井聰亙、犬童一心、手塚眞、80年代には飯田譲治、緒方明、黒沢清、塩田明彦、園子温、橋口亮輔、塚本晋也、篠原哲雄、90年代には矢口史靖、古厩智之、熊澤尚人、熊切和嘉、2000年以降には李相日、荻上直子、タナダユキ、内田けんじ、石井裕也、熊坂出といった、近年の邦画ブームを支える多くの監督が、入選している。08年7月に行われた第30回でグランプリを獲得したのは、市井昌秀監督の作品「無防備」。自身の妻の実際の出産シーンを取り入れたインパクトのある作品で、グランプリを含む3部門の賞を獲得、今後の活躍が期待されている。