「ナインボール」のようなポケット(穴)のない台キャロムを用いて行われるビリヤードの種目。通常手球1個(白)と的球2個(赤)を使い、手球を撞(つ)いて2個の的球に当てることを競うが、2個目に当たる前に3回以上クッション(台の側壁に当てること)を入れなければならない。2010年11月16日、中国で行われている広州アジア大会ビリヤード男子スリークッション・シングルス準決勝で、日本代表の鈴木剛と甲斐譲二がともにベトナム選手を破って決勝進出を決め、前回ドーハ大会(カタール)の梅田竜二に続く2大会連続の金メダルを確定させた。金銀独占は1998年のバンコク大会(タイ)以来12年ぶり。翌17日の決勝では、逆転に次ぐ逆転の末、鈴木が40-37で甲斐を振り切った。手球を撞く位置、強さ、角度、球の回転、球と球の重なり具合(厚み)などに緻密(ちみつ)な計算とそれを実現する高度な技術が必要で、ビリヤードの種目の中でも最も難易度が高い競技とされる。成功すれば1点を獲得、失敗するまで続けてプレーできる。あらかじめ決められた持ち点を先取したほうが勝ちで、今大会は40点先取で行われていた。キャロムビリヤードには、ほかに4つの球を使う「四つ球」、得点回数を制限する区域のある「カードル(ボークライン)」、1回のクッションでよい「バンドゲーム」などがある。