寄せ集めを意味する「モザイク」と、文化の「カルチャー」からなる造語で、19世紀のフランスで使われた言葉とされる。花や草木を組み合わせて現実や空想上の動物、物語の場面や人物などを立体的に表現する新しいジャンルで、緑花造景アートと定義される。ヨーロッパ近世の庭園芸術の一つであるカーペット模様をあしらった花壇づくりのカーぺット・ベディングと19世紀まで同義であった。それが20世紀後半になるとカナダの公園や庭園で見られるような、草木を立体的にアレンジして像を作って空間を演出するための、造園・園芸と環境創造技術が融合した新たな文化創造のジャンルとして発展し、定着した。作品(像)の作り方は、金属フレームで構成された原型の枠組みの上を金網で覆い、なかに土を埋め、目的のデザインに合わせて、根つきの花や植物を組み合わせて植え、成長にしたがい適切な刈り込みを加えて、モザイク状の模様に仕上げる。1998年に、国際モザイカルチャー委員会がカナダのモントリオールで発足し、2000年には、当地で第1回「国際モザイカルチャー大会」を開催、以降3年ごとに定期開催されている。第2回(03年)も引き続きモントリオール、第3回(06年)は中国の上海が会場となり、15カ国55都市が参加し、約85万人が来場する大きなイベントとなっている。次期第4回大会は静岡県浜松市に決定しており、浜松モザイカルチャー世界博2009と称し、「人と自然のシンフォニー」をテーマに、09年9月19日~11月月23日まで開催される。主催者側では過去最大の30カ国80都市の参加と、約130万人の来場を見込んでいる。